公立大学法人 奈良県立医科大学附属図書館(奈医図=ないと)のブログです。

奈良コクランレビューワークショップ

9月18日に奈良県医師会館で開催された

第1回奈良コクランレビューワークショップ プロトコルワークショップ

に参加させていただきました。

コクランといえば、臨床試験論文を収集、質評価を行いレビューとしてまとめられた、超有名なデータベースです。

今回はそのコクランのレビューを書くためのワークショップが奈良で開催され、その中の文献検索の講義・実習をお手伝いさせていただきました。

コクランレビューと当館との関係はこちら⇒祝!コクラン掲載!!: ないとブログ

 

コクランレビューを書くプロセスに、研究の検索があります。

普段の検索なら求めている文献を数件ヒットさせればじゅうぶんですが、コクランでは網羅的・系統的な検索が求められます。レビューのための文献検索の講義ではPubMedやCochrane CENTRAL、EMBASEについての概要、それぞれのデータベースの違いなどをざっと学び、その後実習に入りました。

参加されているみなさん、さすが普段から検索に慣れているだけあって、
Meshや絞り込み機能も難なく使われていました。
また、現場の方ならではの気づきやキーワードの発想がたくさんありました。
自分が普段検索のお手伝いをするときは、まずその臨床状況がどのようなものか
理解することにかなりの時間を要しますが、全然違います。
専門分野はもちろんのこと、専門外の領域であっても、臨床疑問の意図を掴むスピードはやはり相当早かったです。

発表されるときも、結果だけでなく考えのプロセスをきっちり発言されるところなど、
講義の内容以外にも参考になるところが多々ありました。
また、午後からのPICOの講義では、プロトコルの作成についてのお話しでしたが、
具体例を交えながらわかりやすくお話しいただいたため、素人の自分にも理解でき勉強になりました。


一日のワークショップを通じて、コクランレビューができる流れを体系的に学ぶことができ、コクランへの理解がより一層深まりました。

ワークショップに参加して、医療者の研究支援をするには、与えられた臨床疑問について事前に学習し話が通じるようにしておくこと、データベースの知識を最新の状態に保っておくことが大事だと実感しました。大変な分やりがいもあるこの業務、医学図書館員の使命の一つとして研鑽に励みます。

 

お声がけいただいた本学麻酔科T先生はじめワークショップに参加されたみなさま、
この度は貴重な機会をいただきありがとうございました!

 

(おまけ)ワークショップの様子。

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奈良県医師会館、きれいなとこでした~。

 

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