公立大学法人 奈良県立医科大学附属図書館(奈医図=ないと)のブログです。

ないとクイズQ10~Q12(4月28日~5月4日出題)解答

遅くなりましたが、解答いたします。

Q10:MeSH用語「Pneumonia」(肺炎)の1つ上の上位語は何と何?
A10:「Respiratory Tract Infections(呼吸器感染症)」および「Lung Diseases(肺疾患)」

Q11:MeSH用語「Gout」(痛風)の1つ下の下位語は何?
A11:「Arthritis, Gouty(痛風性関節炎)」

Q12:MeSH用語「Hypertension」(高血圧)の1つ上の上位語は何?
A12:「Vascular Diseases(血管疾患)」

MeSH第2弾は、MeSH用語の構成について説明します。
MeSHは日本十進分類法(NDC)のようにいくつかのカテゴリーに分けられて、階層構造になっています。NDCでは、数字の0から9までが使われていて、桁数が増えるほど、細かい階層に分かれていますが、MeSHではアルファベット(A~Z)が使われています。例えば、Aは解剖学、Cは疾患、Dは化学物質・薬剤などのカテゴリーに分けられていて、そのあとに数字2~3桁が続きます。次に、あるMeSH用語「Pneumonia(肺炎)」を基準として、それより広い(上位)概念の用語「Respiratory Tract Infections(呼吸器感染症)」および「Lung Diseases(肺疾患)」を上位語と呼び、それよりも特定した(下位)概念の用語「Pneumonia, Aspiration(誤嚥性肺炎)」や「Pneumonia, Bacterial(細菌性肺炎)」などを下位語と呼びます。
階層構造で表すと以下のようになります。カッコ内は階層コード。

Respiratory Tract Infections(C01.748)
    Pneumonia(C01.748.610)
        Pneumonia, Aspiration(C01.748.610.529)
        Pneumonia, Bacterial(C01.748.610.540)

Lung Diseases(C08.381)
    Pneumonia(C08.381.677)
        Pneumonia, Aspiration(C08.381.677.529)
        Pneumonia, Bacterial(C08.381.677.540)

上記のように「Pneumonia(肺炎)」は2種類の上位語が設定されています。
下位語は疾患によって、種類が様々で、概念が広いほど下位語の種類が増えることになります。
ただし、病態や病因が明確になっていない難病などは、研究が進むにつれて疾患概念が変わるとMeSHの構成が変わることもあります。MeSHは毎年改訂されますので、そのような変化に注意する必要があります。
これらのMeSH用語の階層構造は、「MeSH Database」で確認できます。